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review

no.11「暗黒女子」(2017)

超名門お嬢様学校の文学サークル、そこはアンティーク家具の揃う美しい部室。 女生徒の謎めいた転落死、雷が鳴り響く嵐の夜に密室で闇鍋…。登場人物には、太陽のようなカリスマ、才能あふれる若き作家、お菓子作りが得意な有名料亭の娘、ブルガリア人と日本…

no.10 「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」(1991)

このたび25年ぶりに「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」が4Kレストア・デジタルリマスター版として日本の映画館で公開されることになった。3時間56分という長さに圧倒される一方で作品への期待はますます高まる。実際、そのほとんど全てのショットはこの…

no.9 「退屈な日々にさようならを」(2016)

東京と交互に映し出されるこの地方都市はどこだろうと思いながら観ていたところ、彼らのなんてことはない会話の端々でそれが福島県なのだと気付く。放射能の影響で人気の少なくなった林檎公園に訪れる女学生、若き青年は亡き父から引き継いだ会社を畳んでし…

no.8 「エリザのために」(2017)

今月5日のことだ。ルーマニアで政府に対する大規模なデモが行われ、およそ50万人が参加したとBBCが報道した。一部の政府高官を汚職摘発から守ることになる新法令に反発するものだという。このデモは1989年に起きたルーマニア革命でチャウシェスクによる共産…

no.7 「たかが世界の終わり」(2017)

1989年生まれのグザヴィエ・ドランはこれまでに6本の映画を撮っている。2009年に「マイ・マザー」で監督・脚本家としてデビューした彼は、それから順調にキャリアを積み、日本でも「わたしはロランス」(2012)で一気に知名度をあげた。 彼の作品には毎回ほ…

no.6 「恋愛奇譚集」(2017)

「私は恋愛を信じない。 だって恋愛している人は、どこか馬鹿に見えるから」主人公、ユーウェンはそう語る。その通りだ。映画「恋愛奇譚集」(2017)には、馬鹿な人が何人も出てきて、しかも死者までも恋をしている。 酒造で働く涼太やそこに居合わせる従業…

no.5 「ブラインド・マッサージ」(2017)

三回ほど、血が噴き出す。あまりの唐突さに、思わず目を背ける間もない一度目と、じわじわと流れだす二度目。三度目の血は前の二回とは少し種類が違うのだが、紛れもなくそれは人間の体内を流れる鮮血だ。その赤さをみて、美しさを感じる人もいれば、おぞま…

no.4 「沈黙 -サイレンス-」(2017)

"silence"は「沈黙、無言」を意味する単語だが、「静寂」や「静けさ」とも訳される。 遠藤周作氏による歴史小説「沈黙」をマーティン・スコセッシ監督が映画化したものが「沈黙 -サイレンス-」(2017)だが、サブタイトルの「サイレンス」は主人公・ロドリゴ…

no.3 「虐殺器官」(2017)

小説や漫画、或いは戯曲を映画化する際の製作側の様々な葛藤はいかばかりかと案じながら、むしろ生みの苦しみとしてそうであってほしいと願っている。ホドロフスキーは映画「DUNE」のインタビューの中で、「原作をレイプするのだ、愛をもって」というような…

no.2 「この世界の片隅に」(2016)

いわゆる1945年以降の戦後生まれにとって、あの戦争が結局何をもたらしたのかを問うこと、当時そこに漂っていた空気を感じることは難しい。歴史という長いスパンでみればほんの70年ほど前の出来事ではあっても、人間の一生に換算すると、あまりにも時間が経…

no.1 「A.I.」(2001)

映画「A.I.」(2001)はもともと、スタンリー・キューブリックの企画であったが、同氏が死去したため、スティーブン・スピルバーグにより監督されたSF映画である。そのため、映画そのものに対する評価に加え、「キューブリックだったら」という無意味な批判…

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