tokyo

試写室と劇場からお送り致します

逆光の頃

京都でライブハウスを経営するのが難しいということを、私は知りませんでした。

 

 

f:id:hashiba14:20170711095312j:plain

(C)タナカタツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

バンド活動にいそしむ仲良しの同級生が、ライブハウスの閉店を機に高校を辞めて東京へと旅立つのです。ライブが終わってささやかな飲酒を楽しむ彼らが手にしていたのはサッポロビールでした。飛び込んだのは鴨川でしょうか。川ですから当たり前ですけど、たいへん浅いようなので京都へ行った際には酔っ払って飛び込まないよう気を付けたいと思います。

 

f:id:hashiba14:20170711095434j:plain

(C)タナカタツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

あいつすげぇなあー、と見目麗しい主人公は彼に対して感心するものの、自分はもうちょっとここにいよう。あの娘もいるし、と大文字を眺めながら大の字になって寝転んでしまう、そのダラっとした感じ。これに拍子抜けする人もいるでしょうけど、私なんかはたいへん落ち着きます。みんながみんなパワーレンジャーではないですからね。

 

f:id:hashiba14:20170711095402j:plain

(C)タナカタツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

だけどそんな彼にもやはり立ち上がる時が来るのです!

「あんなやつ、ぽかっとできないの?!」(作中では京都弁)

彼女に言われたその一言がぐるぐる頭をめぐる...

雨のなか、とうとう彼は拳を振り上げます。

若き日の父親が、チンピラに絡まれた母親を助けにたった一人で立ち向かう姿を回想しながら。

ところでこの父親がまた渋くてダンディでかっこいいのです。和装で、伝統工芸職人ときました。

 

f:id:hashiba14:20170711095335j:plain

(C)タナカタツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

猫と、回想シーンと、もしかすると窓に張り付いたヤモリもそうでしょうか、突如アニメーションに切り替わる瞬間。

なんでもかんでもゴダールで形容するなと言われても言いますけど、映像の反復と時系列の入れ替わり。心地よい映像の途中で突如暗転するのはさながらゴダールの音楽ブツ切りのようです。

これぞ映画の楽しさではないでしょうか。ドキドキします。

 

f:id:hashiba14:20170711095508j:plain

(C)タナカタツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

後日原作を読んでみて、なるほどこれは映像化するのに人を選びそうな作品だなと思ったのですが、小林啓一監督自身が映像化を熱望されていたそうで、原作の世界観を踏襲しつつ独特な浮遊感と清涼感のある青春映画に仕上げられていました。

 

しかし、本当に京都ってずるいですね!

そうだ京都へ行こう、と言わざるを得ません。

 

gyakko.com

 

Remove all ads

【スポンサーリンク】