映画館でみた映画(ルクス・エテルナ 永遠の光)
日曜日に友だちと飲んでいて泥酔し転倒、頭にたんこぶができてしまい、2日間は安静にして様子見するという事態に。
水曜日は映画が安くなる日なのでまとめて数本観ることが多いのだが、どうにか復活できたので街に出掛けた。
後厄だし気をつけよう。
そういえば転倒した日は厄除けのお守りを持ち歩いていなかったので携帯して映画館へ。
ギャスパー・ノエの新作ということなのだがあまり話題になっていない気がする。上映時間は51分。もしかしたらそんなに面白くないのだろうかと思いながらも劇場へ。
ギャスパー作品は大好きというわけではないのだがつい確認しに行ってしまう。
まあ良かったかな、まあギャスパーだな、まあ悪くないんじゃないかな、といった感想を抱くことが多いのだが今回の「ルクス・エテルナ 永遠の光」はけっこう好みだった。
映画人による格言の引用があったり、冒頭ドライヤー監督の「怒りの日」が引用されていたりで、そのへんを知っているとさらに楽しめる。
「映画には娯楽ではなく、ひらめきや没入感を求める」というベアトリクスのセリフがあるのだが、自分が娯楽映画に触手が伸びづらいのはそういう理由なのかもしれない、と納得させられた。
序盤のシャルロットとベアトリスの2分割画面はまるでZoomみたいだなと思いながら観ていたけど、気づいたら撮影現場が混乱してきて、英語とフランス語がそれぞれに飛び交ったり言い合いが始まったりで脳みそフル回転状態。2時間分を51分に凝縮したということなのか?
普段なら字幕でまったく困らない派だけど、2分割で進行するため、今回ばかりはフランス語の勉強不足を痛感した。
上質な『カメラを止めるな』みたいだなと思っていたらベアトリスが「カメラを止めて!」撮影監督は「いや止めない!」と押し問答し始めて爆笑。追い討ちをかけるように「これじゃあまるでゾンビ映画よ!」と。
昔から好きなモデル、アビー・リー・カーショウのクールな演技(そのままの性格なのかもしれない...)が良い。
終盤の光の点滅は思った以上に長いので、たしかに苦手な人には注意が必要そう。これでもかというぐらいに本当にしつこくやる。
ギャスパー作品に限らずだが、映画館で観ないと仕掛けや効果が半減してしまう作品は多い。だけどその一方で、そういった仕掛けなしの映画は映画館でみる必要がないのかというとそういうわけではない。
映画館でみるかどうか問題は永遠になくならないテーマ(むしろ今後加速するだろう)だと思うのだが、最近おもうのは、映画館でみる人は最初から映画館でみるので、そうじゃない人を説得させるのはかなり難しいと思う。
徐々に増えつつある、映画館とオンライン同時上映みたいなのが増えていくのだろうか。もしそうなったら、間違いなく映画館という場所が淘汰されていきそうで、なんだか嫌だなあ。